世界的に「ご飯がまずい」ことで有名なイギリス。大変不名誉なこの称号に対し、
イギリス人に聞いてみると、だいたい「それは違う。おまえらの国のご飯が美味しすぎるんだ」と言います。
ただ、これはよくジョークとして受け入れられていますが、実際はもう少し深い理由があります。
まず、概ねプロテスタントの国の食事は基本的に質素なのです。
イギリスは英国国教会という独自の宗派で、厳密には違いますが、大きく分けるとプロテスタントです。
「人はパンのみに生きるにあらず」と聖書に書かれているように、食べ物よりも信仰を大事にすることを実践しているのです。
食事に対して、執拗に関心を抱くこと自体が信仰をおろそかにする、とされている歴史的背景があります。
それともう1つ。
日本でも「男子厨房に入るべからず」という言葉があるように、
イギリスの紳士にも同じような考え方が根付いています。
それは、出された食事に対して、美味しいとか、まずいとか言うこと自体が下品なことなのです。
なので、イギリスのご婦人方は自分の作っている料理に対して、味付けというものを大事にしません。
また、産業革命や植民地政策、数々の戦争を経てきたイギリスにとって、
食事に最も求めるものは、美味しいことよりも効率の良いエネルギー補給です。
簡単に、短時間で休憩ができる紅茶の文化が発達したのはこのためです。
なので、例えマッシュ・ポテトの味がなかろうが、ステーキが固かろうが、そんなことはどうでも良いことなのです。
なので、結論としては同じ中傷なら「イギリスのご飯はまずい」ではなく、
「イギリス人は料理がヘタ」の方が正確な気がします。
もちろん、イギリス人でも料理の上手な人も大勢いますので、もっとやわらかく言うなら、
「イギリス料理は日本人の口にあわない」というのが一番正確でしょうか。
イギリスのどこでも見かける大手スーパー「TESCO」に行けば、お野菜もお肉もだいたい手に入ります。
また、チャイニーズ・ショップを見つけたら、そこでほぼ日本と同じの食材や調味料も買うことができます。
値段もそれほど高くありません。日本産のお米が5kgで13£。だいたい2000円くらい。
エディンバラで見つけたチャイニーズ・ショップでは、お米はもちろん、お酢、みりん、醤油を始め、
しいたけ、豆腐、白菜、大根、ねぎ、納豆、永谷園のふりかけ、ふえるわかめ、海苔などなど
日本人しか食べないようなものも普通に売ってます。
もちろん、中華料理や韓国料理で使うものも。
なので、イギリスに来る際はかならず「自炊できる」ホテルなりフラットなりホステルに泊まることをお勧めします。
そうすれば、びっくりするぐらい安くて、美味しいご飯が食べられますよ。
ちなみに、オリテンのフラットで1日にかかる食事代はだいたい40£。
6000円くらいで10人分×3食作れます。これをお店で食べてたら一人20£くらいかかるでしょう。
そして、イギリスの方が美味しいものもあります。
ベスト3はパン、マヨネーズ、ヨーグルト。この3つは日本のものより圧倒的に美味しいです。
あと、卵と牛乳は安くて量も多いのですが、恐らく卵は生では食べない方がいい気がします。
そして、イギリスはものすごく冷凍食品の発達した国です。スーパーとは別に「アイスランド」と呼ばれる
冷凍食品専門のお店もあります。こっちの方が品数も多いし、同じ商品がTESCOにあったとしても断然安く手に入ります。
そしてちょっと郊外に行けばASDAという巨大業務用スーパーみたいなのがあります。
ここが異常に安くて、品数も「ここは倉庫か!」っていうくらい豊富です。
イギリスの皆さんは週末にASDAに車で来て、大量に食材を買って帰る、というパターンが多いみたいですね。
あと、こっちのラップは粘着が弱くて使い物にならないので、サランラップは持参した方がいいです。
というわけで、名物のFish&ChipsもKebabuも美味しいし、
私はイギリスに来たのにあんまり美味しくない料理に出くわしたことは一度もありませんよ。